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金融支援案の策定

2014年1月16日

こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。

今日のポイントは事業再生・業績改善のために専門家がやることとして
「金融支援案の策定」です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイント◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●金融支援案の策定
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前回のメルマガまでで、

事業再生・業績改善に向けて、

数値計画をいかにして作るかをお話ししました。

単なる希望的観測ではなく、

一つ一つのアクションプランから

数字を積み上げていくのが本来の姿であることを

ご理解いただけたと思います。


さて今日のお話は、窮境にある会社を

如何にして正常化させるかという道筋を立てる

という内容になります。

そういった意味では、ある程度の業績を残しており、

更なる成長を目指す経営者様には縁遠い話になります。


前回までで、今後、会社をどのようにして

立て直していくのか、またはどのようにして

更なる成長へと導くのかを、具体的な行動計画から

数値計画へとつなげるプランが出来ています。

それを実現するためには、会社が背負っている

負債に対して何かしらの対応をしなければなりません。

そこで、債権者である金融機関等に対して

「こういった支援をお願いします」

と協力要請することになります。

しかし、ただ協力してくださいでは話は通りません。

どうやって会社を立て直し、どうのように

債務を弁済していくのかを説明しなければなりません。

また、以前少しだけお話ししましたが、

外科手術的な支援を要請する場合は

相当程度の根拠がなければ金融支援は実現しません。

具体的には精算見込配当率を算出してみるなどが

ありますが、どうするのが金融機関にとって

最も有利になるかを提示しなければならないのです。

このときの裏付けとなるのが作成した計画であり、

その計画の実現可能性が見込まれない限り、

金融支援を受けることはできないのです。

事業の継続と正常な金融取引が可能になるように、

5年から10年の計画を作成して支援要請することになります。

そして計画完了時に、金融機関が行っている

企業格付けが「正常先」になることが目標となります。

そのためにはどのような支援が必要なのか?

を考えて提示するのが金融支援案の策定になります。

ただし、過剰支援になると寄付金課税の問題や

免除益課税の問題などが発生してきます。

それらを全て考慮したうえで適切な金融支援案を

策定しなければなりません。


ここで中小企業再生支援協議会という団体が設けている

計画の要件を例に出して話をしたいと思います。

中小企業の再生計画は荒っぽく言うと

「合実計画」というものを策定することになります。

その要件とは

1.計画3年目で黒字

2.計画5年~10年で実質債務超過解消

3.計画5年~10年で債務償還年数10年以内

という指標が設けられています。

細かい話をするとこの限りではないのですが、

例えばこんな要件があるんだ

ということをご理解ください。

そして、これを実現するためにはどのような

金融支援が必要なのかを提示する必要があります。

リスケジュールで元金返済を据置いている間に

経営を立て直しできるのか?

DDS、DES、債権カットのような外科手術が必要なのか?

を総合的に見極めなければならないのです。

再生支援協議会のデータでは約9割がリスケジュール

という金融支援を受けて会社の立て直しを

行っているというのが現状です。

残念ながら、計画を作り、金融支援を受けても

再生しない場合も割合は低いですが存在するのも事実です。

なぜこのような2次破綻的なことになってしまうのかは、

また追ってお話ししたいと思います。


金融支援案の策定では、経営者責任や株主責任が

テーブルに上がってきますので、慎重に物事を

考え推し進めないといけません。

何より会社を再建させることが最大の目的になるのですが、

時に人間のエゴが見え隠れする場合があるのも事実です。

専門家は計画策定から実行支援までを行いますが、

最終的には経営者の決意と覚悟が重要になることは

言うまでもありません。

そういったものをすべて含めて、金融機関の方は

この会社にどのように協力するか、

あるいは協力自体をするのかを見極めているのです。

余談ですが、今後は金融機関から何かしらの支援を

取りつけるためには必ず計画が必要になると考えて

いただいて差支えないと思っています。


今回は、事業再生のために必要な、

金融支援案の策定についてお話してきました。

次回は事業再生・業績改善を実現するために必要な

「モニタリングの必要性」について

お話をしたいと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●金融支援案の策定
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう!           (アローズ佐藤)

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