数値計画の作り方
2013年12月20日
こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。
今日のポイントは事業再生・業績改善のために専門家がやることとして
「数値計画の作り方」です。
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●数値計画の作り方
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前回のメルマガまでで、
事業再生・業績改善に向けて、
具体的な行動計画の策定に関するお話をしました。
定性面・定量面の両方から行動計画を具体的に
押さえていくことの重要性をご理解いただいたと思います。
さて今日は、事業再生・業績改善の実現に向けて
有りたい姿を数字で設定する作業である
「数値計画の作り方」について
お話したいと思います。
前回、少しだけ触れましたが、
数値計画は積上げにより作られるものです。
結論ありきで作りがちになっているようですが、
それでは絵に描いた餅になるのが目に見えています。
中にはもの凄い勢いで成長しているため
”数値遊び”でも達成してしまう会社もありますが、
常日頃から何をどうするのかを
全員で共有する意味合いも含めて
魂の宿った数値計画を作ることが必要になります。
数値計画では財務3表である
・損益計算書
・貸借対照表
・キャッシュフロー計算書
を作ることになります。
まずは財務的な目標を設定することになるのですが、
これは会社によって置かれている状況が異なるため
ここでは詳しく触れないことにします。
というわけで、事業収益をどのようにして
確保していくのかを考えるわけですが、
その際に拠りどころとなるのが前回にお話した
具体的な行動計画(アクションプラン)になります。
1.Aという行動をすることで売上が3%アップする、
2.Bという行動をすることで原価が2%ダウンする、
3.Cという行動をすることで経費が5%ダウンする、
といった具合のものです。
つまり、損益計画(書)を作るためには
売上、原価、経費に関する計画が必要になってくるわけです。
このような計画を「サブ計画」と言います。
例えば、売上に関するサブ計画は、
商品・サービス別、地域別、顧客別、・・・、
などのように細分化し、
どこでどのような売上拡大施策を展開し、
その結果、各セグメントで
どれくらいの売上が見込まれるのか?
について”固く”見積もらなければならないのです。
それらを積み上げた結果として
年次の売上が作られることになります。
昨対比○%というのは大まかな比較対象にはなりますが、
これが売上根拠になることは絶対的にありません。
次に原価に関するサブ計画ですが、
これも売上サブ計画と同様に、
各種要素を細分化した所からスタートし、
その積上げでいくら原価低減が可能なのかを
計画します。
経費に関しても同様。
人件費、地代家賃、広告宣伝費、・・・、
などをどうするのかを細かく想定していき、
その結果として年間いくらの予算で
会社をまわすのかを算定します。
これらを総合して前述した
1.売上3%アップ
2.原価2%ダウン
3.経費5%ダウン
という計画が作られるのです。
現実的には、いくつもの行動計画にから
最終的に1.2.3.が積上げられることになります。
さて、ここまで来たら、
再度総合的に判断する必要が出てきます。
つまり、本当にそれが実現可能なのか?
本当にそれで会社は存続・発展出来るのか?
を客観的に判断することが必要になります。
例えば売上高が昨対比20%アップ
のような計画が作られていたら、
あなたならどう思いますか?
本当にそれが実現出来ればいいでしょうが、
売上とは相手あっての話になるので、
ここを夢見心地で想定してしまうのは
非常に危険だということが分かると思います。
(こういった意味で昨対比を使用するのは
結構なことだと思います。)
また仮に昨対比20%アップをするために
原価や経費が多くかかり、
利益の捻出につながらないのであれば
意味がありません。
これは原価や経費についても同じことが言えます。
ただ、経費についてはいわゆる”自助努力”が
大きく反映される部分であり、
経営者の判断によりコントロールできる可能性が
非常に高いものになります。
ただ一点気を付けたいのが、
やみくもに経費削減を行えばいい
という訳ではないということです。
不景気な世の中で事業を縮小していくことは
想定されますが、いわゆる”縮小均衡”に陥ってしまうと
そこから抜け出すには相当な困難が待ち受けているからです。
適度な経費コントロールにより適正な利益確保を
目指すべきでしょう。
以上のことをおさらいすると、
数値計画はこれからなにをどうするのか?
を基にしてサブ計画を作り、
その積上げによって年次計画が作られるという
イメージになります。
今回は、事業再生・業績改善のために必要な、
数値計画の作り方についてお話してきました。
次回は事業再生をイメージして
「金融支援案の策定」について
お話をしたいと思います。
◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●数値計画の作り方
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう! (アローズ佐藤)