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財務構造の再構築手法の選択

2013年12月6日

こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。

今日のポイントは事業再生・業績改善のために専門家がやることとして
「財務構造の再構築手法の選択」です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイント◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●財務構造の再構築手法の選択
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前回のメルマガまでで、

事業再生・業績改善に向けて、

運転資金を圧縮することで手元に準備しておかなければならない

資金が圧縮できることをお話しました。

業務コントロールでは見落とされがちな部分ですが、

これが実現できれば資金的には余裕が出来ますし、

特に製造業などでは在庫を削減することの意義が

さらに大きくなることが想像できると思います。


さて今日は、事業再生・業績改善を実現するための

大切なポイントの一つである

「財務構造の再構築手法の選択」について

お話したいと思います。


財務構造を再構築するとはどういうことか?

簡単に言ってしまえば、自前の資金と借りた資金の

バランスを見直し、改善することです。

まずは「自己資本比率」という言葉をご存知でしょうか?

会社の有する全ての資産に対して、

自前で準備した資金(場合によっては現物)が

どの程度あるかを示すものです。

この自己資本比率があまりにも低いと

財務の健全性が低いと判断されてしまい、

銀行からの融資が受けにくい、あるいは金利設定が不利になる

などの弊害がでてきます。

もっとも、中小企業の場合、大手企業に比べると

自己資本比率が低いというのが現状です。

ただし中には中小企業といえども実質無借金経営をしている

企業もあります。

自己資本比率はどこまで高めればいいかと言われると

難しい部分がありますが、専門用語でいうならば

”最適資本構成”を目指すということになるでしょう。

ただ一つ言えるのは、あまりにも自己資本比率が低いと

何かあるとすぐに債務超過状態になってしまうことです。

債務超過状態になるとどういうことになるのか?

まずは金融機関から新規融資が受けられません。

つまり資金繰り対応が極度に難しくなるわけです。

金融機関側の視点で言えば、

債務者区分がランクダウンすることになります。

某局の半○直樹に出てきたフレーズ「実質破綻先(じっぱ)」

になる前に「破綻懸念先(はけ)」という債務者区分がありますが、

いすれにしても金融機関としては不良債権を抱えることになり、

引当金を多く積まなければならず、結果として金融機関としての

経営健全性に問題が生じることになります。

バブル崩壊後の証券会社や金融機関の破綻が生じ、

政府が血税を大手銀行に注入して立て直しを行ったのは、

金融機関が莫大な不良債権を抱え、そのままでは破綻してしまう

状況だったからです。

つまり、金融機関の取引先(お金の貸出先)の財務状態が

著しく悪化し、多くの企業の債務者区分がランクダウンした

状態にあったのです。

そして実際に、多くの企業が撤退を余儀なくされました。

つまり、金融機関には貸したお金が戻ってこない状態であり、

今度は金融機関自体の経営が危うくなったのです。

そうなると日本経済が立ち行かなくなってしまいます。

それを回避するために、政府が金融機関に手を差し伸べたわけです。


さて余談はこれくらいにして、自己資本比率を上げる

方法は基本的に2つしかありません。

1.資本を増強する

2.利益を蓄積する

1.にもいくつかの方法がありますが、

中小企業では考えにくいためここでは触れません。

ということは、2.を行うことになりますが、

この利益の蓄積ができないと損失がどんどん膨らみ、

結果として債務超過状態に陥ることになります。

その先にあるものは前述したとおりです。

事業で利益を上げて徐々に会社内に貯めていき(内部留保)

自己資本比率を高めるようにする。

そのために金融機関に元金返済猶予(リスケ)をお願いし、

その間に財務基盤を固める努力をするわけです。

これが財務構造の再構築手法の一つです。


さて、財務構造の再構築手法はまだあります。

これから述べることはいわゆる”荒治療”になります。

具体的にはDDS、DES、債権カット、第二会社方式などです。

一つ一つについて細かくは説明しません。

共通して言えるのは経営責任や連帯保証の問題が浮上し、

経営者が自己破産(も覚悟)しなければならないということです。

会社を存続させた方が、社会的に意義がある、

債権回収率が高まると判断されたときにこのような

荒治療が実行されます。

しかし、事業再生の現場ではリスケによる金融支援が約9割で、

荒治療を行うのは1割程度というのが現状です。

債権カットなどが必要な企業は相当重症であることは

想像できますが、債権カットが簡単に行われると思うのは間違いです。

考えてみてください。

あなたがお金を貸した側なら、簡単に返さなくていいよと言いますか?

まして人から集めたお金を貸している状態です。

金融機関も相当慎重な対応にせまられるのです。

こういった荒治療を考える状態になる前に、

経営者は自社の財務構造を再構築する必要があります。

そのためには、様々なやるべきことが出てきますが、

何よりも重要なのは”利益を確保すること”です。


今回は、事業再生・業績改善のために、

財務構造の再構築手法の選択についてお話してきました。

次回は経営を改善するための検討項目として、

改善を実現するための具体的な行動計画について

お話をしたいと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●財務構造の再構築手法の選択
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう!           (アローズ佐藤)

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