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業務コントロールの基本的な考え方

2013年11月29日

こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。

今日のポイントは事業再生・業績改善のために専門家がやることとして
「業務コントロールの基本的な考え方」です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイント◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●業務コントロールの基本的な考え方
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前回のメルマガまでで、

事業再生・業績改善に向けて、

人・組織をどうのように動機付けるか?等に関する

お話してきました。

結局、最後は人です。事業が窮境に陥った原因も

事業再生・業績改善を行うのもすべて人なのです。

この部分を疎かにしたまま物事を進めることはできません。


さて今日は、事業再生・業績改善を実現するための

大切なポイントの一つである

「業務コントロールの基本的な考え方」について

お話したいと思います。


まず、業務をコントロールするとはどういうことか?

前々回にお話しした事業の見極めが終わった後、

今後はどのようにしてより多くの利益を出していくのかを

検討・実施することが業務コントロールです。

業務コントロールの視点は以下の3つになります。

1.売上拡大

2.コスト削減

3.運転資金の圧縮

これを達成することで金回り(キャッシュフロー)が良くなるわけです。

1.と2.は常々私が言っていることなので

既にご理解いただいていると思います。

ここでは3.について説明したいと思います。


運転資金とはザックリと言うと

「投下した資金が回収されるまでに必要なお金」となります。

もっと分かりやすく説明するには次の用語を理解していただく必要があります。

a.棚卸資産

b.売上債権

c.仕入債務

a.~c.は以下のようにイメージしてください。

a.棚卸資産:仕入れた原材料や製品など。

b.売上債権:商品・サービスを売ったがまだ入金のないもの。

c.仕入債務:仕入れた原材料や製品に対してお金を支払っていないもの。

さて、これを事業に当てはめるとどうなるか。

まずは事業に必要な原材料や製品などを仕入れしますね。

これがすぐに売れることはまずないので、

一旦は会社の中に保管されることになります。

いわゆる在庫というものです。

これら在庫や原材料、仕掛品などを棚卸資産と言っています。

この棚卸資産が会社にあるということは、

資金流出はしているが商品・サービスがまだ売れていないので

入金はない状態です。

仮にここまでの段階で資金流出を100とし、

商品・サービスが売れるまでに1か月かかるとします。


1か月後、うまく在庫が売れたとします。

しかし、通常の商取引(現金商売でない限り)であれば

すぐに入金はされません。

ここでの入金のない売上が50だったとします。

この売上50の入金は1か月後になるとします。


ということは、あなたの会社も仕入れに対してすぐに

支払いをしているわけではありません。

仕入れに対する支払40を1か月後にすることにします。


このようなやり取りが日常的に起きているのです。

さあ、以上を整理するとどうでしょうか?

棚卸資産100+売上債権50-仕入債務40
=運転資金110

この数式を見て説明不要という方は事業の本質を分かっている方です。

上の式を簡単に説明すると、

”通常の事業を継続していくためには110の資金が常に必要になる”

ということです。

「勘定合って銭足らずに」よる黒字倒産が起きるのも

これが理解できていないからです。

もちろん事業規模が拡大縮小すれば、運転資金もそれにともない増減します。

その算出方法はさておき、業務コントロールと運転資金が

どのような関係にあるのかを説明します。

会社にとって大切なものは利益です。

しかし、その利益を手中に収めるまでには

運転資金が必要になることをご理解いただけたと思います。

ということは、この運転資金が圧縮されれば、

事業を行う上で手元に準備しておく資金が減ることになります。

資金繰りに窮している会社は、この運転資金の圧縮にも目を向けるべきです。

つまり目指すのは

1)棚卸資産の減少+在庫期間の短縮

2)売上債権回収期間の短縮+確実な回収

3)仕入債務条件の見直し

になります。

1)と売上げ債権の確実な回収は企業努力次第です。

その他は繊細な要素が含まれるので難しいのが現実です。


業務コントロールにおいて、運転資金の圧縮は見落とされがちですが

事業を継続していくためには必要不可欠な要素です。


今回は、事業再生・業績改善のために、

業務コントロールの重要性についてお話してきました。

次回は経営を改善するための検討項目として、

財務構造の再構築手法についてお話をしたいと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●業務コントロールの基本的な考え方
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう!           (アローズ佐藤)

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