1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 会社を黒字化するためにやるべきこと

無料小冊子「業績改善10の鉄則」

メールマガジン「会社を黒字化するためにやるべきこと」

お問い合わせはこちら

経営革新等支援機関とは

事業再生・業績改善を実現するための情報を無料配信

財務状況の実態は?

2013年10月25日

こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。

今日のポイントは事業再生・業績改善のために専門家がやることとして
「財務状況の実態は?」です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイント◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●財務状況の実態は?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

前回のメルマガまでで、
事業再生・業績改善に向けて現状分析を行うにあたり、

会社資本関係や金融機関からの融資状況を把握し、

再生支援対象範囲を決定することについてお話ししてきました。

初めにこの範囲を見定めないと、適切な再生手法の選択ができません。


さて今日は、事業再生・業績改善を実現するための

大切なポイントの一つである「財務状況」について

お話したいと思います。


このメルマガをスタートした時に、初めに触れたのが

経営者の決意・覚悟、その次が財務に関する内容でした。

ここでまた財務に関する話なの!?

と思われる方もいると思いますが、

この”実態”財務とは、先般お話した

表面的な財務状態に関するものとは異なり、

会社の財務状態の”真の姿”を見定めるというものになります。

通常、貸借対照表に計上されている資産は取得価格で計上されています。

しかし、取得時の価格と現在の価格は必ずしも一致しません。

バブル時代に不動産投資、有価証券投資、ゴルフ会員券購入などを行い、

惨たんたる結果になった理由が

「時価評価額が取得価格を大幅に下回った」

ということです。

これはバブル崩壊後に顕著になったお話ですが、

現在の企業再生の場合でも資産価値を時価で再評価します。

再評価した結果、資産価値が目減りしたものはその数値に修正します。

これらを本格的に行うのは公認会計士さんになりますが、

私のような人間でも実態財務状態を把握する部分があります。

最も多数の例が挙げられるものとして、

今回は「棚卸資産と売掛金の粉飾」についてお話します。


これは損益計算書上で、見かけ上の利益を増やすために

行われてしまうことです。

損益計算において原価を計算する際に

1.期首在庫

2.当期仕入れ

3.期末在庫

を考えることを理解されている方であれば当たり前の話になります。

仮に次のような数値を設定したとします。

(話を分かりやすくするために細かいことは考慮しません)

売上高:1000

期首在庫:200

当期仕入れ:700

期末在庫:100

この時の利益は

1000-(200+700-100)=200

となります。

さて実際に出たこの200という利益を

もっと増やすにはどうするのか?

一つは期末在庫を水増しすることです。

例えば上の例で期末在庫が300あるとしたら、

1000-(200+700-300)=400

という具合に、期末在庫を水増しした分、

利益が増えていることになります。

もう一つが売上げを水増しすることです。

例えば売上げが1100だったとすれば、

1100-(200+700-100)=300

同じく売上げを架空計上した分だけ利益が増えることになります。

誤解をしてほしくないのは、こうすれば利益が出たように見せることが

可能だということを皆さんに教えているわけではなく、

このような粉飾は専門家が見ればすぐに

バレることなのでやってはいけないということです。

その前に会社会計は真実性の原理に従わなければならないため

真の内容を提示することが基本であることに違いはありません。

しかし、このような粉飾が行われてきたというのが現実です。

これらの粉飾や売掛金の貸倒れ等を見定め、

実態として資産価値を減少させることを行うのですが、

先ほどの時価評価の話も同様、資産価値が減るということは

貸借対照表の右側も数字が動かなければバランスしないことになります。

そこで行うのが純資産の減算です。

この作業を行った結果、帳簿上は財務内容が傷んでいないように見えたものが

”実は債務超過だった”という結果になるのです。


なぜこんな腸をえぐるようなことをするのでしょうか?

その答えは

「本当はどれだけの負債を抱えているのかが見えなければ

最適な金融支援策が見いだせない」からです。

リスケで行けると判断したにも関わらず、実は簿外債務が相当あり

リスケ程度の金融支援では会社を再生させることは出来ないという

ことになれば、それまでの労は無駄になり、

過ぎ去った時間を取り戻すことが出来ず、

会社を再生させることは不可能に近くなります。

きちんと会社や事業を再生をさせるためには

過去の膿をしっかりと出し切る必要があるのです。


その他にも様々な検討を行いますが、すべては会社のためなのです。

そこをご理解いただかなければ事業再生・業績改善は不可能です。


今回は、事業再生・業績改善のために、

財務状況の実態を把握することについてお話してきました。

次回は会社や事業が窮地に陥った原因を把握する

ことについてのお話をしたいと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●財務状況の実態は?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
___________________________________

■編集後記
___________________________________

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう!           (アローズ佐藤)

→ メールマガジン一覧に戻る
Copyright © Arrows co.,ltd