会社の元手はどこか?
2013年10月18日
こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。
今日のポイントは事業再生・業績改善のために「会社の元手はどこか?」です。
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●会社の元手はどこか?
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前回のメルマガまでで、
事業再生・業績改善に向けて現状分析を行うにあたり
ポイントとしているビジネスモデル(儲けの仕組み)
についてお話ししてきました。
ビジネスモデル俯瞰図を作成する3つのメリットを
ご理解いただけたと思います。
さて今日は、事業再生・業績改善を実現するための
大切なポイントの一つである「企業集団の状況」について
お話したいと思います。
企業集団の状況というと物々しく感じられますが、
要は「会社の創業時あるいは創業後に出資した方や
融資等の金融支援をしてくれた方とどのようにつながっているのか」
を簡単な図に示してみるというものです。
まず初めに明確にするのは、資本金は誰がいくら出したのか?です。
中小企業の場合、大方は代表者が資本金の2/3以上を
出資しているのではないでしょうか。
平成18年に新会社法が施工されてから、
会社設立に関する要件が緩和された部分もあり
必ずしもきれいな資本関係とは言い難い場合も想定されます。
企業によっては承継時に株式が分散してしまい株主が不明という、
糸が複雑に絡まったような状態の場合もあります。
さて次は金融支援をしている方を明確にします。
誰からいくら金融支援を受けているのかを把握します。
さらに会社から代表者一族への貸し付けなどがあればそれも把握します。
また関連会社などがある場合や保証関係がある場合はそれも把握します。
細かいことを言えばリース会社、消費者金融などの取引状況も明らかにします。
なぜこんなことをするのか?と疑問に思っている方もいることでしょう。
それは以下の3つのポイントを押さえるためです。
1.金融支援対象企業の範囲の決定
2.支援対象金融機関の範囲の決定
3.責任論
企業の置かれている状況により一概には言えませんが、
事業再生を行う場合、上記のようなポイントを最初に押さえておかないと
その後の対応を間違ってしまう恐れがあります。
事業再生(ここでは企業再生を含む)を行う手法はいくつかありますが、
最も多く取られる手法はリスケジュール(元金返済の猶予)であり
中小企業再生支援協議会の実績データからすると8割~9割が
リスケジュールによるものです。
その他に劣後性ローン(新規融資)や債券の劣後化
債権の資本繰り入れなどがありますが、
基本的には金融支援を行っている方々全員の合意がなければ
各種手法は成立することはなく、結果として事業再生は実現しません。
誰をどの範囲まで支援するのか?
誰に協力を依頼しなければならないのか?
誰にどのような責任を取ってもらう必要があるのか?
この方向付けをするために、上記1.~3.のポイントを
押さえなければならないことがご理解いただけると思います。
経営責任と言うと、ズシッと重いものを感じますが、
実際に会社経営では相当な責任を背負っており、
経営者は心底それを自覚しないといけません。
会社が最悪の事態・状況を招くことは、経営者にとっても
最悪の事態・状況になることは間違いありません。
会社にまだ改善の余力があるうちに業績改善を行うことを
お勧めしていますが、ほとんどの場合、窮地に陥った時に初めて
”何とかしなければ”と慌てふためき、限られた資源と時間のなかで
しかも限られた手法で対策をとる羽目になります。
余力がある状態であればもっと多くの可能性があったであろうに・・・
と思うことが多々あります。
(2)
(1) I I
I I
I I (3)
I I
I
I
I
I
上記は縦軸が売上高、横軸が時間を表すグラフだとします。
(1)売上高がまだ伸びるかも知れない時期
(2)売上高が頭打ちの時期
(3)売上高が減少している時期
あなたなら自分の会社が上記の(1)、(2)、(3)の
どの状態で業績改善を目指すべきだと思いますか?
また話がそれてきたので今回はこれくらいにしておきます。
今回は、事業再生・業績改善のために、
企業集団の状況を把握することについてお話してきました。
次回は会社の実態財務状況がどうなっているのか?を把握する
ことについてのお話をしたいと思います。
◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●会社の元手はどこか?
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう! (アローズ佐藤)