事業再生・業績改善のためには、どれだけ売ればいいのか?
2013年8月30日
こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。
今日のポイントは「事業再生・業績改善のためには、どれだけ売ればいいのか?」です。
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●事業再生・業績改善のためには、どれだけ売ればいいのか?
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前回に引き続き、数字が苦手だと言う経営者に向けたミニ講座を開催します。
会社の業績改善には数字の理解が必須事項となりますので、
本当に会社を黒字化したいと思うならば、これを機に数字を理解してください。
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前回のメルマガまでで、
事業再生・業績改善に向けて「あなたの会社の型を知ること」
についてお話ししてきました。
会社の型を知ることで、業績改善のために
優先的に注力すべきポイントが分かり、そこから着手することの
大切さをご理解いただけたと思います。
さて、業績に直結する数字の把握方法の第二弾として、
今日は「あなたの会社はどれだけ売ればいいのか?」を知ってもらうことにします。
どれだけ売ればいいのかって、売れるだけ売れればいいだろ!
と言いたくなる気持ちは分かりますが、今日のお話は
”最低限どれだけ売らなければならないのか?”であることをご理解ください。
前回、用語の定義で”損益分岐点売上高:売上高-変動費-固定費=0となる売上高”
なるものをご紹介しました。
損益分岐点売上高とはまさしく
”売上高からあらゆる費用を差し引いた後に残る利益がゼロになる”
売上高のことです。
分かりやすく説明するために、下のような数字を例にとってみます。
売上高:10,000
変動費:5,000(売上高に比例して増減)
固定費:5,000(売上高に関係なくかかる費用)
この場合、利益は10,000-5,000-5,000=0です。
このときの売上高10,000が損益分岐点売上高となります。
では仮に次のようだったらどうでしょうか?
売上高:9,000
変動費:4,500(売上高に比例して増減)
固定費:5,000(売上高に関係なくかかる費用)
この場合は、9,000-4,500-5,000=-500となり、
赤字になってしまいます。
この状態は損益分岐点売上高を下回っているので赤字になるのは当然です。
逆に次のような場合はどうでしょうか?
売上高:11,000
変動費:5,500(売上高に比例して増減)
固定費:5,000(売上高に関係なくかかる費用)
この場合は11,000-5,500-5,000=500となり、
利益が出てくるわけです。
以上の例題では10,000を売らなければならないことになります。
繰り返しになりますが、損益分岐点売上高とは
商売した結果がチャラになる売上高のことで、
これを上回った場合に利益が出て、下回った場合は赤字になるという
ボーダーラインを示すものになります。
あなたの会社の損益分岐点売上高はいくらなのか?
しっかりと把握しているでしょうか?
これを把握することで”うちの会社は最低限いくら売らなければ赤字になる”
ということが言えるようになるのです。
前回お話した通り、利益を出すには3つの方法しかありません
。
1.売上げを上げる
2.利益率を上げる
3.固定費を削減する
2.と3.を実現することにより、あなたの会社の損益分岐点は下降します。
つまり、やみくもに売上拡大を追求しなくても、利益が出るようになるのです。
反対に利益率が下がり、固定費が膨らんでしまうと
今以上に売上を上げなければなりません。
社長の頭の中にあるものや税理士さんに作ってもらった資料などを整理すると
会社は今後どのようにしていけばいいのか?に対する答えが見えてきます。
また、会社の目標を社内で共有し、計画および実行する際に話が具体的になり
非常に分かりやすくなります。
ちなみに損益分岐点売上高=固定費/限界利益率という割り算で計算されます。
(限界利益率=限界利益/売上高、 限界利益=売上高-変動費)
↑前回の用語の定義をご参照ください↑
是非とも把握されることをお勧めします。
今回は、業績改善のために「あなたの会社でどれだけ売ればいいのか?」ことについてお話をしてきました。
次回は数字のことから離れて「会社が歩んできた道のりと今を知る」について
お話したいと思います。
◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●事業再生・業績改善のためには、どれだけ売ればいいのか?
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう! (アローズ佐藤)